実は、今回で4回目の開催となる「OFF呂会」
(過去の様子はこちらから……第1回、第2回、第3回)
10月に行われた前回の「OFF呂会」は、「出張!OFF呂会」と題し、荒川にある『梅の湯』を舞台に開催!
参加者の皆さんには、地域の銭湯友だち 通称 “せんとも”を作ろうという目的のもと、交流を深めていただきました。
そして、今回は好評につき「出張!OFF呂会」を別の銭湯へと舞台を変え、開催。
今回は当日の様子をレポートでお届けします!
今回、開催地に選ばれたのは、銭湯好きにはおなじみの銭湯密集地帯「大田区・蒲田」より『蒲田温泉』です。
JR蒲田駅から10分ほど歩くと、商店街の中に一際目を引く、大きな赤い看板が見えてきます。
昭和12年創業という歴史ある蒲田温泉は、真っ黒のお湯が特徴的な黒湯温泉の銭湯です。
4代目店主の島 義之さんから、集まってくれた20名の参加者の皆さんへまずは簡単にご挨拶。
運営チームからはイベントの流れをご説明し、半分ずつAとBの2チームに分かれていただきました。
▼当日の流れはざっとこんな感じです!
1.銭湯見学「銭湯を見学しよう!裏側まで見ちゃおう!」
2.町歩き(物件見学含む)「物件を見ながら暮らしを想像しちゃおう!」
3.ワークショップ&交流会「銭湯のある暮らしについて語ろう!」
4.入浴「最後はみんなで銭湯に入ろう!」
それにしても、こんな広い宴会場がある銭湯って……恐るべし、『蒲田温泉』。
2チームに分かれたところで「お名前」と「好きな銭湯は?」というテーマでそれぞれ自己紹介をしていただきました。
初めてお会いする方々ばかりでしたが、みなさん開始早々打ち解けた様子。やはり共通の趣味があると自然と盛り上がりますね。
テーブルの上にあるタオルは、「東京銭湯ふ動産」のオリジナルグッズ!
前回同様、参加者の皆さんには、ステッカーと合わせてプレゼントさせていただきました。
まずは3代目店主の女将 島雪江さんから、『蒲田温泉』について心温まるお話をお伺いしました。
女将:「せっかく黒湯のいい温泉に入っていただいているので、できるだけ体にいいもの、手作りの物を提供したいの。お客さんからあれがあったらいいな~、これがあったらいいな~なんて話を聞いているうちに、いつの間にかこんな宴会場になっちゃったのよね」
一日中いられて、何回でも好きなだけお風呂に入れるような施設にしたい。お客さまに少しでも喜んでいただきたいと話す女将さん。『蒲田温泉』がこんなにも愛される理由がちょっぴりわかった気がしました。
参加者の皆さんからの質問にもひとつひとつ丁寧にお答えいただき、普段なかなか聞けない銭湯の裏話を聞くことができました。
続いては、普段見ることのできない釜場(ボイラー室)を案内していただきました。銭湯の命ともいえる釜場。一体、どんな仕組みで動いているのでしょうか。
『蒲田温泉』は基本的には薪でお湯を沸かしており、時々バーナーを使用し火力を維持しているとのこと。横に積み上げられた薪も、あっという間に無くなってしまうのだとか……日に数回、薪をくべるのはなかなかの重労働ですよね。
普段、見ることの無い光景に参加者のみなさんも興味津々。「蒲田温泉」の特徴とも言える、あの熱い黒湯はこうやって温められているんですね。
続いては「蒲田温泉」付近にある、風呂なし&風呂付きを2軒、町歩きも兼ねて巡りました。
銭湯周辺の町歩きをすることで、その銭湯がある町はどんな町なのか、そこで暮らす人々はどんな人か、大田区蒲田の町、銭湯のある暮らしの魅力を発見してもらいたいと思っています。
さっそく『出張!OFF呂会』の旗を掲げ、参加者のみなさんをご案内。
みなさんには次のワークショップに向け、感想や気になった点をメモしていただいてます。
「蒲田温泉」から30秒ほど歩くと、あっという間に到着。なんと、こちらの物件は窓から蒲田温泉がちょっぴり見えます!
完成して間もないぴかぴかの新築!陽光ふりそそぐ明るいシンプルなワンルームです。
この物件の家賃は一体おいくらでしょうか?
参加者の皆さんには3人1組で家賃を予想していただきました。
バス・トイレが別々で、温水洗浄便座、浴室乾燥機も完備。文句無しのお部屋ですね! お風呂は少し窮屈なので「蒲田温泉」の広い湯船でぐーんと足を伸ばしましょう。
こちらの家賃は、68,000円!
「3駅以上利用可能って便利だね!」、「風呂・トイレ別は嬉しい!」などのご意見も。清潔感があってなかなか良い物件ではないでしょうか!
続いてはこちらの物件です、なんと「蒲田温泉」から徒歩3分。この距離なら宴会場でベロンベロンに酔っ払っても、間違いなく帰れますね。
部屋にお風呂はありませんが、近辺には6件もの銭湯があリます。その日の気分に合わせてお風呂が選び放題という、なんとも贅沢な物件ですね。
こちらの家賃は、なんと52,000円!!
築年数は古いですが、部屋の状態はとても良く、トイレが洋式なのも嬉しいところ。
「蒲田温泉」ファンの皆さ~ん!こちらの激近物件、ぜひおすすめです!
▲写真左側が物件①の「風呂あり物件」、右側が物件②の「風呂無し物件」のチームです。
それぞれ見学を終えた皆さんには、再度宴会場へ集まっていただき、ワークショップ&交流会を行いました。
まずは、見学していただいた2つの物件から「自分が住むならどっちが良いか?」という観点で2つのチームに分かれて討論していただきましたが、これは物件①の「風呂あり物件」が若干人気という結果に。「風呂が無くても部屋が広いほうが良い!」という意見や、「朝、シャワーを浴びれないのは不便!」という意見が飛び交っていました。
続いては4つのチームに分かれて、実際歩いた町、物件、銭湯を見学したものを元に「この町に暮らす」と想定していただき、今後銭湯がどうなっていけばいいのか、そして風呂なし物件がどうなっていくべきか、また町はどんな町だと魅力を増すのか、意見を出し合っていただきました。
課題点と改善策をまとめ、各チーム代表者の方が発表。それぞれ簡単に内容をご紹介します!
まずは、チーム1の発表。
課題:「銭湯の営業時間が短い。」
改善策:「店側の負担を減らすため、お客さんに掃除を手伝ってもらい、対価として入浴料を無料にするというサービスを提案。」
発表者の方は、大田区 太平湯のオーナーさん!ということで、このチームは経営者とお客さん、両方の視点から意見を出してくれました。お掃除はロボットに任せよう!なんて冗談交じりに話してくれましたが、もしかしたら近い将来現実になる日が来るかもしれませんね。
次に、チーム2の発表。
課題:「銭湯に足を運ぶ人が少ない。」
改善策:「銭湯全体でアメニティを充実させたり、週に1回でも営業時間を伸ばすことを提案」
銭湯にもっと足を運んでもらうには、こんなサービスがあったら良いんじゃないか!という意見をいくつも出していただきました。たしかにアメニティが充実している銭湯は、仕事終わりにもふらっと行きやすいですよね。
次に、チーム3の発表。
課題:「風呂なし物件の抵抗を減らす方法」
改善策:「風呂なし物件の大家さんがお風呂コンシェルジュとして、入居者の気分に合わせた銭湯選びをしてくれるというサービスを提案」
こちらのチームでは、風呂なし物件に少し抵抗があるという意見から、風呂なし物件の魅力をアップさせる方法を考えてくれました。入居者限定で特典をつけたり、銭湯と提携し入居者が優遇される仕組みがあったら入居したくなる!との意見を出してくれました。
最後に、チーム4の発表。
課題:「地域の銭湯の魅力を伝えきれていないように思える。」
改善策:「若者向けに大学や専門学校へもっとアピールしたり、スーパにチラシを置いたらどうかと提案。」
こちらのチームでは、女将の食材に対するこだわりの話をきき、もっと魅力のひとつとして発信してほしいとの意見を出してくれました。確かに、銭湯の一番の魅力は、サウナの有無やお風呂の種類など設備部分の充実さよりも、こういった店主のこだわりや銭湯全体の雰囲気なんですよね。
前回うっかり撮り忘れてしまってた集合写真も、今回は最後にプロのカメラマンさんがしっかり撮影。
イベント終了後には、それぞれ入浴を楽しんでいただきました。真っ黒な温泉に浸かり、一緒に汗を流します。サウナや水風呂、いたるところで会話が生まれていて、浴場内には賑やかな笑い声が。
汗も引かぬうちにフロントで購入した蒲田温泉Tシャツに着替え、二階の宴会場へ上がると、なにやらすでに打ち上げが始まっている様子。ステージ上では、家族連れのお客さんがカラオケで歌い始め、大変盛り上がっていました。
「火照ったからだ」 ✕「名物 汐焼きそば」 ✕「キンキンのビール」=末恐ろしい。
連絡先を交換している人の姿も見受けられ、“せんとも”を増やす 良いイベントになったなと感じました。
参加者のみなさん、ご協力ありがとうございました!
以上、「出張!OFF呂会 〜地域の銭ともを作ろう!蒲田編〜」のレポートでした。
次回もお楽しみに!
この記事を書いた人:sagara
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